ちなみに第三の矢である成長戦略だが、これは過去の歴史においても、デフレ脱却のために実施されたことはない。経済成長には必要だが、デフレ不況脱却という点では重要性は低い。
では、歴史的に見てもデフレ対策として正しいアベノミクスを実施したにもかかわらず、日本のGDPは2四半期連続(14年4~9月)でマイナスとなってしまったのはなぜか。これは、野田政権時の3党合意で決まっていた14年4月の消費税8%増税が、アベノミクスに冷水を浴びせた結果である。
「アベノミクスは失敗だった」「失敗を認めて今すぐやめるべきだ」という意見があるが、このような考え方は危険だ。
過去に、中途半端な段階でポリシーミックスをやめたために、デフレ不況脱却を頓挫させた例があるからだ。
たとえば、1930年代、米国で大恐慌が長引いたのは、36年にルーズベルトが大統領選に再選した後、それまでの金融緩和と積極的な財政出動を転換し、財政再建を掲げて金融と財政の引き締めを行ってしまったからだ。