金属労協が前年を下回る要求を打ち出したのは、体力のある大企業だけでなく、中小企業もベアに踏み切りやすいようにする狙いがある。だが、景気の先行きに不透明感が強まる中、経営側は総じて固定費としてのしかかるベアには慎重姿勢を崩していない。2014年以降、自動車、電機大手を中心に高水準のベアが続いてきた春闘だが、16年はその勢いに陰りが出る可能性も高まっている。
「(賃金の)底上げと(大手と中小の)格差是正へのこだわりを最大限発揮できる水準だ」
金属労協の相原康伸議長(自動車総連会長)は4日の会見で、前年を下回るベア要求の理由を説明した。
ここ数年の春闘では、トヨタ自動車や日立製作所など大企業が相次いで過去最高のベアに踏み切った。ただ、中小では賃上げできなかった企業も多く、「年収ベースでは逆に差が開いてしまった」(組合幹部)。