訪日外国人向けに作成されたアンテナショップの英文冊子。「ローカル・スペシャリティ・ショップス」と題されている。【拡大】
この“クール・ジャパン”を海外で展開する動きも出ている。2009年に四国の4県が共同で中国の上海市にアンテナショップを開設したのを皮切りに、北海道・東北の8県も香港に共同で進出。新潟県は2012年からロシアのウラジオストクやハバロフスクにショップを開いた。このほかにも期間限定で北海道がシンガポールに出店したり、大分市が中国の武漢市に進出した例もある。
いずれも日本の食材を売り込み、日本への観光客を誘致するのがねらいだが、「出店するときにはセンターに報告があるが、なぜか退店報告は来ない」(畠田さん)。日本のアンテナショップが海外で継続出店していくのも簡単ではないようだ。
外国人の受け入れ体制はこれから
アンテナショップはもともと国内の消費者を念頭にしている。ホームページなどからの情報発信も国内向けがメインで、利用者も大半がシニアや都心で働く会社員などの日本人だった。しかし、このところの円安や2020年東京オリンピック開催などを背景に、日本を訪れる外国人の数は増加の一途。少子高齢化が進む日本でアンテナショップが今後も集客や売上を伸ばすには、訪日外国人や都内に住む外国人需要の取り込みが不可欠だろう。