【春闘】労使フォーラムで事実上スタート 経団連「年収ベースの賃上げ」 連合「ベア2%」

2016.1.25 20:18

経団連労使フォーラムであいさつする経団連の榊原定征会長=25日午前、東京都千代田区(早坂洋祐撮影)

経団連労使フォーラムであいさつする経団連の榊原定征会長=25日午前、東京都千代田区(早坂洋祐撮影)【拡大】

 経団連や連合、主要企業の労使の代表らが春闘に向けた方針や考え方を説明する「労使フォーラム」が25日、東京都千代田区の経団連会館で開かれ、今年の春闘が事実上、始まった。あいさつした経団連の榊原定征会長は、企業経営者らに対し「デフレ脱却に向け、積極果敢な経営を通じて収益を拡大し、賃上げなどにつなげていくよう最大限の努力をお願いしたい」と呼びかけた。

 今年の春闘は、賃金の引き上げ方が争点になる。経団連は、3年連続で賃上げを呼びかけるものの、昨年までとは異なり、従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)にこだわらず、賞与や手当なども含め、年収ベースで昨年実績を上回ることを目指す。ベアに全産業で取り組める環境にはないとみており、個別企業の対応を重視する姿勢だ。

 これに対し、連合はベア2%程度の引き上げ方針を打ち出す。神津里季生会長は同日の講演で「賃金が持続性をもって上がり続けることを実感することが重要」と語り、ベアにこだわる姿勢を強調した。

 また連合は、アベノミクスの恩恵が大企業に偏りがちな中で、中小企業の賃上げを拡大させることなども打ち出し、格差是正を進める方針だ。

 一方、株式市場の急落について、榊原会長は同日の定例会見で「ベアの対応で慎重な姿勢を示す企業も出てくるかもしれない」と述べ、労使交渉への影響に懸念を示した。

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