なかでも日立やパナソニック、東芝など6社の労組が交渉を主導する立場。有野委員長は「企業の存亡に関わるような事態でなければ(離脱は)あり得ない」と話すが、東芝は約1万人の人員削減に踏み切り、自己資本比率も10%以下の“危険水域”に沈むなど、財務が急速に悪化。同社首脳は今春闘での賃上げについて「極めて困難」との認識を示している。
ベアをめぐる認識の隔たりも大きい。過去2年の賃上げがコスト増につながっているほか、金融市場の混乱で経営側は「特に中国リスクに不安感を持っている」(有野委員長)。リーマン・ショック後の金融危機のような事態に備え、手元資金を確保しておきたい経営側と、ベアにこだわる組合側の交渉は激しくなりそうだ。