社長といえばゴルフの話題は欠かせない定番だが、近ごろのベンチャー企業の経営者にはゴルフをしない人が増え、スポーツの話題も変わってきている。最近、彼らが取り組むのはストイックな1人競技のトライアスロンやウルトラマラソンだという。経済記者として企業家の取材を手がけ、300人以上の社長にインタビューしてきて、『やはり、肉好きな男は出世する』などの著書がある國貞文隆氏がこう話す。
「ベンチャー企業家は淘汰され、いくつもの企業が生まれ、死んでいくのがベンチャーの世界です。したたかに生き残っていくには運と自己変革が必要です。失敗しても何度でも立ち上がらなければなりません。そのためにも折れない心を鍛えようとして、トライアスロンなど自己鍛錬を兼ねたスポーツをやる社長が多い。それを乗り越えることで、また自分に自信を取り戻すことができるのでしょう」
つまり彼らには意外とストイックな面があるのだ。というのも、経営者になる人は、自分のやろうとしたことをどれだけ守れたか、ということにこだわる性格なのだ。ささいなことだが、例えば小学生のときに夏休みの宿題をいつまでにやろうと決めたら、自分との約束をきちんと守って実行するタイプだ。それによって達成感を覚えたことが、ビジネスを成功させようとする意志力になる。さらに最初の立ち上げ時期にどれだけ集中力を保つことができるか。この2つが起爆力になっているという。國貞氏が話を続ける。