【江藤詩文の世界鉄道旅】ヒジャーズ・ヨルダン鉄道アンマン駅(1)ニッポンシャリョウは世界のブランド 時を超える日本製SL (2/2ページ)

2016.2.21 18:00

修復前の日本製機関車の前に集まってきた職員たち

修復前の日本製機関車の前に集まってきた職員たち【拡大】

  • 修復過程はきちんと記録され、希望すれば見せてもらえる
  • 修復が終わるとここまできれいになる。これはドイツ製
  • 平日の運行はないため修復作業にあてている
  • 週末にもっとも使われているアメリカ製のディーゼル車

 いまは週末の金曜(イスラム教では金曜日は礼拝日でお休み)と土曜、80名以上の予約が入った場合のみ、アンマン駅とアンマン郊外のアル・ジーザ駅の間の片道約30キロを、1時間45分ほどかけてディーゼル機関車が牽引する観光列車を走らせているだけだという。

 そんな彼らがいま力を入れているのが、古い車両のリノベーションだ。「この日本製SL機関車は、日本で使われた後タイで利用されていたと聞いています。その後ヨルダンに運ばれて、郊外の砂漠に放置されていました。それを修復して再び走らせるのが、私たちの使命です」

 現在保有する8台の蒸気機関車のうち3台が日本製。ほかにドイツ、ベルギー、アメリカのものも所有しているが“ニッポンシャリョウ”の機関車は群を抜いて足回りがよいという。「鉄道マンなら世界中誰でも“ニッポンシャリョウ”の列車を運転したいものです」ナーデルさんはそう言って胸を張った。

取材協力:JICAヨルダン事務所

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら

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