“元祖レストラン・トレイン”として、熊本の八代と鹿児島の川内を結ぶ「おれんじ食堂」。1号車の「ダイニング・カー」と2号車の「リビング・カー」の2両編成で、1号車はミールとお土産つきのパッケージプランのゲスト専用車、2号車は乗車のみで食事はつかない。私は、川内駅から新八代駅まで通しで乗車し、「ライトミール」と「サンセットディナー」の両方がつく「クルージングディナー」を選んだが、川内駅から出水駅までの前半、または出水駅から新八代駅までの後半のいずれかの区間だけでも乗車できる。
私が乗車した日の1号車・前半の乗車率は4割ほど。カップルなど2人連れがほとんどで、静かな時間を楽しんでいた。出水駅では大阪から来た10人以上の団体ツアーが乗り込み、全席満席で一気に賑やかになった。
美食と美酒には目がない私は、ことのほか料理を楽しみにしていた。だって3時間44分もかけて、だらだら飲んだり食べたりできるのだ。飲み会でいったら1次会が終わって2次会の佳境くらい? その間ずっと電車に乗っていられるなんてすばらしい……! そんな予想は大きく外れた。なぜって観光列車でもある「おれんじ食堂」は、停車駅ごとに観光スポットやイベントが用意されている。食事をとりながらも乗ったり降りたり、意外と慌ただしいのだ。