エリートは自尊心が低い!?
「無条件肯定」の真逆にあるのが、「条件付き肯定」です。それは、自分が社会のなかでどれくらい有能な力を持っているのか、といった社会的比較の指標のなかで、自分の価値を“条件的”に認めることです。僕たちは学校で、テストでいい点数をとるとほめられ、勉強が苦手な場合でもスポーツでいい順位をとれば評価されてきました。それは、社会人になっても変わることなく、常に比較されながら「条件付き肯定」を奪いあう戦いをくりひろげています。
そんな社会的条件の階段を上りつめたのが、俗に「エリート」と呼ばれる人たちです。なんと彼らは、「自分は社会的に有能だ」という実感や強い自信は持っていても、自尊心や自己肯定感は低いということが多いようなのです。
なぜなら、「エリート」と呼ばれる人たちは常に“高い条件”で社会的に認められてきたために、人生の中で「無条件の自分」の価値を意識したことが少なく、「条件を失う」ということがとんでもなく危険なことだと感じてしまうようなのです。