レンガ造りの風情あるアンマン駅舎内は「ヨルダン・ヒジャーズ鉄道博物館」になっている。駅への入場料として1ヨルダン・ディナール(約178円)支払うと、8台の蒸気機関車と5台のディーゼル機関車を触り放題、写真撮り放題。そのうえ数人がかりで説明してくれて、博物館にも入場できる。ヒマなだけあって大盤振る舞いだ。
ちなみに、ヒジャーズ・ヨルダン鉄道の職員はさすがアラブ人らしくおしゃべりが大好きだが、ほとんどの人が英語を話さない。よって英語を話すアブドゥルさんは、あちこちから呼ばれて大わらわ。前回のコラムで写真を掲載した5人を中心に、どこからともなくやってくる職員が合流したり離れたり、なかなか賑やかになってきた。世界中どこへ行っても、こと鉄道の世界において日本人はほんとうに歓迎される。
この博物館がまた見応えがあった。メインの展示物はホールいっぱいに広がった砂漠を模したジオラマ。「日本人なら運転がうまいだろう。競争しよう」本業は運転士のナーデルさんが言う。いかにも中東らしいこの鉄道模型は、頼めば動かすこともできるそうだ。ほかに世界の車両を描いた壁画や、往時の待ち合い室を再現したベンチは、なんと蒸気機関車と一緒に写真を撮れるセルフィー(自撮り)スポットになっていた。