治療しながら働ける社会に がん退職防止へ厚労省指針 (1/2ページ)

2016.3.4 05:00

国立がん研究センター中央病院の相談支援センターで、ソーシャルワーカー(右)と打ち合わせをするハローワークの職員=東京都中央区

国立がん研究センター中央病院の相談支援センターで、ソーシャルワーカー(右)と打ち合わせをするハローワークの職員=東京都中央区【拡大】

 がんになっても治療を受けながら働けるよう、厚生労働省が企業向けガイドライン(指針)を初めて策定した。職場への気兼ねなどから退職してしまう人も少なくない現状を踏まえ、企業側に支援体制の確立を求めた。2006年のがん対策基本法成立から10年。生活の糧を失わずに患者が安心して闘病を続けられる社会の実現には、企業の取り組みが鍵を握る。

 ◆3割が就労世代

 国立がん研究センターの推計では、11年に新たにがんと診断された人は約85万人。20~64歳の「就労世代」が約3割を占める。生存率が向上し、長く付き合う病気に変化しつつある。

 県立静岡がんセンターが13年に患者や元患者を対象に実施した調査では、診断時に雇用されていた約1600人の34.6%が依願退職したり解雇されたりしたと回答。03年調査とほぼ同じ状況だった。同センターの山口建総長は「同僚に迷惑を掛けてしまうなどの理由で離職する患者が少なくないが、いったん辞めると再就職は難しい。治療をしながら働き続けることが大切だ」と話す。

 徳島県の介護施設に勤務する男性(57)は、4年前に前立腺がんが見つかった。骨に転移しており、重い物を持つと骨折の恐れがあるため、高齢者を抱き上げるなどの仕事から外してもらった。だが同僚から不満が出て職場に居づらくなり、昨年末から休んでいるという。「職場全体で病状を理解してもらうことが必要だ」と話す。

 自主的な取り組みを進める企業もある。約230人が働く東京都文京区の建設会社「松下産業」は、がんなどの病気になった従業員が仕事と治療を両立できるよう、通院予定や体調に合わせ勤務時間を調整したり、半日休暇や時差出勤を認めたりと柔軟に対応している。過去10年間でがんにかかった後1年以上働いた従業員は10人。現在も6人が仕事を続ける。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。