日本成人病(生活習慣病)学会で特別講演する春日雅人・国立国際医療研究センター総長。父親の食生活が子供の生活習慣病に影響することを報告した=東京都千代田区【拡大】
その上で、それぞれの群の雄を正常な雌と交配。生まれた子供を同期間育ててから血糖値を測定したところ、高脂肪食群の雄から生まれた方の数値が有意に高かったという。
両群の子供のマウスには高脂肪食を与えていなかった。春日総長はこの点をとらえ、「父親の代の高脂肪食の影響がすぐ次の代に遺伝情報として伝わったことを示すものだ」と分析する。研究によると、父親の精子を通じて子供に伝わった可能性が高いという。
新たな環境因子
胎児期に胎盤を通じて母親とつながっていることから、母親の影響に関する論文はすでに膨大な数が発表されている。例えば、過度のダイエットを行った女性から生まれた低体重の子は、メタボや生活習慣病になりやすいことは比較的よく知られている。