【ストレス社会で働く(3)】磁気刺激で鬱治療「改善の質が向上」 1年間で手応えも (2/3ページ)

2016.3.23 12:00

リクライニングシートに座り、TMS治療を受ける男性

リクライニングシートに座り、TMS治療を受ける男性【拡大】

 心身に変化が出たのはこれまでのノウハウが思うように生かせず、「先が見通せない仕事」に取り掛かってからだ。同じような仕事がその後にも控えていた。「いつまでたっても終わらない」という意識が芽生え、ある朝突然会社に行けなくなったという。男性は「不本意な仕事が続いていなかったら違っていたはずだ」と振り返る。

 仕事の性質上、個人での作業が多くなり、オーバーワークになることも度々だった。家の近くにあるクリニックの問診で鬱病と診断され、会社に連絡を入れたが、突然にもかかわらずその日から長期休養を取ることになった。会社も異変の兆候をつかんでいたのかもしれない。

 会社の対応が素早かったのは不幸中の幸いだった。3カ月後に職場復帰し、生活レベルでは問題なく過ごしている。専門家の間では、鬱病になりやすいタイプとして、性格的に人に物事を頼めないタイプが指摘されている。

 30代男性は光トポグラフィー検査で鬱病と診断され、TMS(経頭蓋磁気刺激)治療を受けることを決めた。新宿ストレスクリニック(東京都新宿区西新宿)は治療に使う機器を国内最大となる63台所有している。

 大脳の背外側前頭前野に磁気刺激を与えることで、さらに奥にある不安や悲しみといった感情をつかさどる扁桃(へんとう)体も刺激する。米食品医薬品局(FDA)が2008年に鬱病治療で装置を使うことを許可している。

 薬のいらない画期的な治療として米国で目覚しい成果をあげているが、日本では厚労省が薬事承認を審査している最中で、保険が適用されないため高額な治療費がかかるのがネックになっている。

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