リクライニングシートに座り、TMS治療を受ける男性【拡大】
なぜ磁石なのか? 同クリニックの川口佑院長は「電気の場合、髪の毛、皮膚、骨などに流れてしまって、脳に円滑にパワーを送ることができない。あとは副作用がないということですね。磁気は基本的に無害です」と話す。
男性が歯科の診察台を思わせるTMS治療機器のある個室に入った。医師と機器を操作するトリーターが、鼻から後頭部の突端までなど複数個所の距離を正確に測り、男性の頭部にペンで印を付けていく。
筆者も双極性II型障害と診断され、ちょうど1年前に同じ治療を受けたが、そのときには軽く磁気を当てて、指の反応を見るなどして決めていた。「何%かで部位がずれる可能性を指摘されていた。脳波測定で用いる計測方法を採用することで、より正確な部位へ照射するようにした」(川口院長)という。
タタタタタと一定のリズムで加えてきた磁気刺激ついても、患者の症状にあわせてタ、タ、タ…などと以前よりもバリエーションを増やした。治療は進化し続けている。
改善率こそ約8割と1年前と変わらないが、川口院長は「自傷行為がしっかりと収まるなど不安の程度など点数では測ることができないような質の改善が増している」と手応えを感じている。
診察台に座った男性の頭部にサイドパットと磁気を発生するコイルが固定された。いよいよTMS治療が始まった。