シングルマザーが年収1500万円世帯に負ける場合も… 待機児童が減らぬ理由 (6/7ページ)

2016.4.2 17:15

保育所定員と待機児童数の推移

保育所定員と待機児童数の推移【拡大】

 これまで保育所の定員を増やすことができたのは、言い換えれば、保育士が待遇の悪さに甘んじてくれたからだ。「保育士不足」が問題になっている通り、給与の引き下げは限界に達している。保育士の待遇改善のためには、「公定価格の引き上げ」だけでは不十分だ。自治体の負担を考慮した制度設計が必要だろう。

 そのとき財源はどこから確保すべきか(※2)

 市民サービスとしての保育には、フルタイム共働きの「高所得世帯」への公費補助という側面がある。しかも自治体の多くが国基準の保育料をさらに割り引いて補助率を上げているのが実態だ。サービスを受けられる市民は就労継続と所得を維持できる機会に恵まれるわけだから、受益者に負担を求めるべきだろう。

 筆者は、保育料の負担について所得階層に応じた現在の体系を維持しつつ、上限を引き上げる「ワイド化」が望ましいと考える。その場合でも「多子減免」を適用して、第2子半額、第3子無料とすれば、利用者にとっても納得感があるはずだ。

 ※2:保育士の待遇改善にどれくらいの予算が必要になるか議論がある。数千億円から2兆円まで幅があり、数%の改善から潜在保育需要を掘り起こした先まで見通すかで差異がある。

また保育所と幼稚園の「幼保一元化」という問題もある。背景には…

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。