【江藤詩文の世界鉄道旅】香港トラム・トラモラミックツアー(2)日本の“乗り鉄(私)”が出合った香港の“撮り鉄”たち (2/2ページ)

2016.4.3 18:00

香水の香りがしてきそうな華やかさ。赤の128号と緑の28号がアンティーク車両だ

香水の香りがしてきそうな華やかさ。赤の128号と緑の28号がアンティーク車両だ【拡大】

  • 本格的な機材を揃えた香港の“撮り鉄”のみなさん
  • ツアーでは運転士もフレンドリー。運転士のゲイリーさん
  • 運転席も当時の様子を再現している
  • 1940年代の風景写真など、車内展示も楽しめる
  • すれ違うトラムや停車駅では、人びとが手を振ってくれることも

 こんな魅力的なツアーだけに、鉄道ファンが見逃すわけはない。案の定、上環のウエスタンマーケット前では、暮れなずむ街を背景に復元されたクラシック車両を撮影しようと、何人かが三脚を立てて待ち構えていた。

 おっ、香港にも鉄道ファンがいるいる。私はいまからこれに乗るんだよ。実際にことばには出さないけれど、自慢したい気持ちで思わず顔がにやけてしまう。が、彼らはいたって冷静だ。後で聞いたことだが、香港の“撮り鉄”は、電車に乗ることにはあまり興味がないそうだ。

 なんだ、残念。自分の“乗り鉄”体質を確認した香港の夜だった。

■取材協力:香港政府観光局

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら

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