「スキルや知識を持つベテランならともかく、何の貢献もしていない新人をこれ以上置いておくわけにいきません。そこで秘策を打つことにしたのです。本人には復職を前提に休職期間中に好きな時間に会社に来て、自分の好きな勉強をしてもよいことにしました。ただし、それも続けられない場合は『退職します』と一筆を書いてもらうことにしたのです」
Aの机は人事部内の最も多忙な国際人事室に置かれました。最初の頃は、Aは外国人社員の間で飛び交う英語や忙しく動き回る人事部員を呆然と眺めていましたが、そのうち出てこなくなりました。後日、Aから退職届が送られてきたそうです。
※本連載は書籍『人事部はここを見ている!』(溝上憲文著)からの抜粋です。
(ジャーナリスト 溝上憲文=文)(PRESIDENT Online)