同様にワードスミスを導入したAP通信は、企業決算のデータベースを基に、AIが売上高や利益、市場予想との対比など必要なデータを自動で抽出し、決算記事をわずか1~2秒で作成する。現在は、AIが執筆した4000本余りの決算記事を配信している。
かつてロボットによる自動化が、工場での単純労働の多くを駆逐した。同様に人よりも早く、正確に大量の文書を作成するAIの普及は、知的労働の分野で人の雇用を奪う恐れがある。
大量のデータから自動で学習を繰り返し、AIが独自に進歩する技術「ディープラーニング(深層学習)」により、AIの活用の場は飛躍的に増えた。接客型ロボットとの組み合わせは、既に私たちの身近にある。
セールストーク展開
「今日は良い天気ですね。晴れの日って、テンションが上がりませんか?」
家電量販店のコーヒーマシン売り場。店頭の小柄なロボットが買い物客に、身ぶりを交えてこう話しかけた。立ち止まった客と二言三言、つかみの会話を終えるとロボットは「何かお探しですか」と、おもむろにセールストークを始めた。
ネスレ日本(神戸市)は2014年末からソフトバンクグループの人型ロボット「ペッパー」を家電量販店の売り場などで接客に使っている。ソフトバンクによると、導入店舗の売り上げは15%伸びたという。