曹操や劉備を勝者にした「離れる力」とは何か? 新時代を創る男たち (2/5ページ)

2016.6.11 17:06

『実践版 三国志』(鈴木博毅著・プレジデント社)

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 巨大組織が時代の転換点でつまづくとき、大量のリストラと事業継続の危機まで訪れる。これは働いている私たちビジネスパーソンにも、人生の大きな谷と悲劇もたらします。安易な多数派、寄らば大樹の陰としたこれまでの生き方が、否定され始めているのです。

 時代の転換点では、社会で多数派が貧しくなっていくのも1つの特徴です。閉塞感のある巨大組織は、優れた若手や実力派を要職に押し上げるのではなく、限られたパイを若い奴らに渡してなるものかと、できる人、出る杭となる人の足を引っ張ることしか考えない古参の権力者が増えていくからです。

 No.2の賢者は自分が仕える場所を吟味する

 曹操は若く有能な将校として、後漢内の汚職を何度か糾弾したことがあります。しかし内部の権力者とその周囲が腐敗に慣れきっているのですから変わらず、彼は後漢帝国に見切りをつけて、自らの地方領地に帰ってしまいます。

 幼い頃に父を亡くし、貧しい母子家庭で蓆を編んで生計を立てていた劉備は、後漢の崩壊で生まれた民衆反乱の「黄巾の乱」に対して仲間と討伐に参加。その功績で小さな地方役人の地位を与えられますが、後漢の行政組織の腐敗に飽き飽きしたのか、2度も印綬を置いて職を去っています。

 ○ここにいても、キャリア上もはや意味はない(先は行き止まりだ)

 ○上司や組織の腐敗がひどく、実力があれば僻まれて足を引っ張られる

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