2017年卒の就職活動が本格化する一方で、今年4月に就職したばかりの新卒新入社員がわずか3か月未満で退職してしまうケースが見られる。厚生労働省の調査によると、大卒の新卒者は1年以内に13.1%、3年以内に32.3%が辞めてしまうという。そこで転職クチコミサイト「転職会議」は、新卒入社3か月以内で退職してしまった人や退職を検討中の方々のクチコミデータを調査・分析し、スピード退職の実態について調べた。
■新入社員がスピード退職する理由ランキング
短期間で退職すると、「イマドキの若者は我慢が足りない」「社会を甘くみている」というように思われがちだが、せっかく就職活動を経て新生活をスタートした新入社員が辞める決断をしたのには、それなりの“ワケ”があるはず。現在就職活動をしている人にも、新卒新入社員の採用・育成に携わる人にも読んでいただきたい、スピード退職のワケについて調べた。
1位:時間外労働が多い(62%)
スピード退職者の6割を超える人たちが、過度な残業や休日出勤など長時間労働に悩んでいることがわかった。特に小売・サービス業などでは、アルバイト・パート従業員の不足などの穴埋めや少数運営体制が影響し、最大の退職理由となってしまっている。「5月病」という言葉があるほど、新入社員にとって入社後3か月は新しい環境に慣れるだけでも大変な時期。長時間労働によって疲労が蓄積していくと、精神的にも肉体的にも追い詰められ、“こんな働き方は続けられない”と限界や将来への不安を感じてしまうようだ。
<実際のクチコミ(一部抜粋)>
・月末の休みを潰されたうえ、12時間以上の労働を強制された。サービス残業は当たり前です。(小売業/22歳 男性 販売・接客)
・休日研修の多さが気になりました。店長になればそこまでセミナーはないものの、新入社員の時は休日研修が多いです。月の休みのうち多ければ3日は休日研修のため、あまり休めません。(小売業/22歳 男性 店長・店長候補)
・45分前出勤・閉店後1時間は残業が当たり前です。しかし、みなし残業なので残業代が特別に出ることはありません。(小売業/22歳 女性 接客)
・パートさんが休みになるなど、人手不足になるとほぼ残業になります。上司からの圧迫もあり、プレッシャーは半端ないです。残業代もほぼ出ませんし、週に1日休めるだけで良い方でした。(小売業/22歳 男性 調理・料理長)
・労働時間は半月で50時間オーバーが普通となる。長期休暇という概念は恐らくここでは3連休くらいだろう。人手不足というよりは、少数精鋭といった感じで、全員が週6前提という働き方。若いうちは良いかもしれないが、30代の社員も同じような条件であるため、とても現実的ではないと思う。(サービス業 /22歳 男性 サービス関連職)