【IT風土記】瀬戸内発 動き出した観光7県の連携、日本版DMO成功占う試金石 (2/3ページ)

多くの島々と鏡面のように輝く海が織りなす瀬戸内海(写真提供:せとうち観光推進機構)
多くの島々と鏡面のように輝く海が織りなす瀬戸内海(写真提供:せとうち観光推進機構)【拡大】

  • 瀬戸内ブランドコーポレーションの水上社長
  • せとうち観光推進機構の村橋事業本部長

 民間資金活用する新しい挑戦

 せとうちDMOは、マーケティングを担うせとうち観光推進機構と、プロダクト開発支援を行う瀬戸内ブランドコーポレーションの二本柱で構成される。これまでのDMOは、公的資金を使っておしまいというケースが少なからずあったというが、せとうちDMOは、ファンドを活用し、投資家に対するインセンティブを提供しながら、お金の好循環を実現させていくという点が特徴的だ。せとうち観光活性化ファンドのほかにも、独自メディア「瀬戸内Finder」を活用した情報発信や、「瀬戸内」の目指すブランドアイデンティティを体現するような商品やサービスを「瀬戸内ブランド」として登録する制度など、バックアップ体制は着々と整えられている。

 観光マーケティングや地域ブランドを研究している近畿大学経営学部の高橋一夫教授は「地元の地方銀行が立ち上がり、民間のファンドによりファイナンスを行うという取り組みは、欧米のDMO先進国でもほとんど例がない」と話す。

 「せとうちDMOが意識しているのは、インバウンド(訪日外国人客)に対し、瀬戸内の魅力をどうアピールするかということだ」。せとうち観光推進機構の村橋克則事業本部長が強調するように、せとうちDMOのターゲットは海外市場である。

 せとうちDMOは、2020年の瀬戸内のあるべき姿として「瀬戸内が一度ならず二度、三度と訪れてみたい場所として定着している」ことをあげる。その瀬戸内を何度も訪れるリピーターとして期待しているのは、中国や台湾、欧米などからのインバウンドだという。

 村橋事業本部長は「最初から、この地域ありきで考えたわけではない」と話す。すでに、日本を観光した経験があり、1週間から10日間かけてじっくり観光を楽しむ旅行者が多い国や地域を調べていくと、台湾や中国、欧米などがクローズアップされてきたという。

広大で美しい景色を世界に発信