日本文化にみられる心理的な歪み TVドラマに抱く違和感  (3/3ページ)

 ソファは何かの象徴としか考えられない。赤ワインと繋がるイメージからすれば、既に日本で喪失したと言われる西洋文化様式への「捨てきれぬ気持ち」としか言いようがないのではあるまいか。

 欧州のラグジュアリーブランドを語るのはダサく、殊にファッションにおいてその傾向ははっきりとしている、と言われる。日本の同市場が成長しているのは中国人観光客によって押し上げられたとの分析が主流だ。

 欧州に旅行に来る日本人観光客のお金の使い方は、かつてはブランド品購入が中心であったが、今はレストランなどで食事をするための費用がトップにきている、とのデータがある。

 一方で日本の伝統的文化の再評価が高まり、歌舞伎から旅館に至るまで人気がある。陶芸品へ目を向ける人も多くなっている。

そういう状況のなかでのソファと赤ワインである。

 もちろんTVドラマが今の若い人のライフスタイルを全て映しとっているわけではない。ドラマ制作者たちの狭い世界から出てきた常識である。だから、これを拡大鏡でみて語るのは適当ではないかもしれない。

 それが承知したうえで、ぼく自身が抱く違和感をやはり語らずにはいられない。日本の文化のなかにある、ある心理的な歪みがあるのではないか、と。(安西洋之)

【プロフィル】安西洋之(あんざい ひろゆき)

安西洋之(あんざい ひろゆき)上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、独立。ミラノ在住。ビジネスプランナーとしてデザインから文化論まで全方位で活動。現在、ローカリゼーションマップのビジネス化を図っている。著書に『世界の伸びる中小・ベンチャー企業は何を考えているのか?』『ヨーロッパの目 日本の目 文化のリアリティを読み解く』 共著に『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力』。ローカリゼーションマップのサイト(β版)フェイスブックのページ ブログ「さまざまなデザイン」 Twitterは@anzaih

ローカリゼーションマップとは?
異文化市場を短期間で理解するためのアプローチ。ビジネス企画を前進させるための異文化の分かり方だが、異文化の対象は海外市場に限らず国内市場も含まれる。

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