
「おりづるの壁」に投入した折り鶴は落ちていくようすも見える。写真は筆者【拡大】
自ら折った鶴を携え、オバマ米大統領が現職米大統領として初めて広島を訪問した今年。原爆ドームに隣接する広島マツダ大手町ビルを改修し、「おりづるタワー」が生まれました。
外側に折り鶴の絵を描いた透明の「おりづるの壁」は吹き抜けで、12階の「おりづる広場」から専用紙で作った折り鶴を有料で投入すると、3階部分からたまっていきます。開館5カ月で10万1千羽が投入されました。いつか、折り鶴で満たされた「壁」を見たいものです。
見逃せないのは14階屋上展望台「ひろしまの丘」。この地域は高さ制限があり、新築だと、5階程度までしか建設できません。地上51・5mからというここからだけの貴重な景色を多くの人に、と広島マツダが改修時に展望スペースを設けました。
眼下の原爆ドームには多くの瓦礫が残り、鉄骨の支えでやっと立っているのが分かります。こんな角度の眺めは広島に住む私も初めて。木をふんだんに使い、風が通り抜ける展望台に併設カフェのフードメニューを持ち込み、ゆっくり過ごすことで感じる平和が確かにあります。
帰りはスロープを滑って降りることもできます。たっぷり考えるだけでなく、たっぷり楽しめる、おりづるタワーはそんなスポットです。
<プロフィル>
しみず・のぶよ 山口県出身。FMきらら、山口朝日放送などで活動し、現在は広島県でフリーアナウンサーとして活動中。
◇
局アナnetは日本最大級の局アナ経験者ネットワーク。運営するLocal Topics Japan(http://lt-j.com/)では全国の地方の観光情報を日本語、英語と動画で紹介しています。コラム関連動画もごらんになれます。