
デジタルハリウッドが開講する、IT人材養成の「主婦ママクラス」の様子。託児スペースもある(デジタルハリウッド提供)【拡大】
変わる“求人の常識”
「子育てが一段落したら年齢の壁で仕事がない」という“求人の常識”も変わりそうだ。女性の就労支援に特化した人材派遣会社ビースタイルは今年、45歳から50代前半の働き手を企業に売り込むセミナーを開いた。三原邦彦社長は50歳前後の人材について「超人手不足時代に唯一、数が増える世代。人手不足解消の鍵となる」と話す。
働き方の変化に人手不足の時代環境が加わり、遠くない将来「専業主婦」は希少職種になるかもしれない。労働力調査によると、女性の生産年齢人口(15~64歳)の就業率は昨年64.6%。15年前と比較すると7ポイント超も上昇している。ただ、多様化には課題も潜んでいる。
東レ経営研究所コンサルタントの渥美由喜氏は「主婦が(仕事と子育てを両立しやすい)職育近接で働く方法が増えているのは事実」としながらも、在宅のライター職などは「低賃金の仕事も多く、企業が非正規労働者の主婦に依存してコストを抑えている面もある」とも指摘する。その上で「働く意欲をもつ主婦が(主婦業と仕事と)ダブルワーカーになるには、雇用流動化や賃金適正化など、国による環境整備が必要」と提唱している。
来年度の税制改正をめぐり、配偶者控除は、対象となる働く主婦らの給与収入の上限を年間「103万円以下」から「150万円以下」に引き上げることで政府内は決着した。議論の過程で控除廃止が浮上したことを踏まえれば尻すぼみの感はぬぐえないが、女性の就労環境は変化している。就労活性化に向け、さらなる政策的な後押しが期待される。(滝川麻衣子)