【IT風土記】福島発 スマートシティ技術が結集、地方再生のモデルケース目指す (3/3ページ)

会津若松市のシンボル「鶴ヶ城」。このお城のそばにICT関連企業の誘致の受け皿となるオフィスを整備する計画もある
会津若松市のシンボル「鶴ヶ城」。このお城のそばにICT関連企業の誘致の受け皿となるオフィスを整備する計画もある【拡大】

  • 会津大学で開催された人材育成向け講座。地元企業の経営支援にも活用されている(会津大学提供)
  • 会津若松市の室井照平市長
  • 会津大学の先端ICTラボ「LICTiA(リクティア)」内で取材を受ける会津大学の岩瀬次郎理事
  • アクセンチュア福島イノベーションセンターの中村彰二朗センター長

 先進ICT研究の会津大学による人材育成

 会津若松市のスマートシティプロジェクトで、重要な役割の一つである研究開発と人材育成を担うのは、コンピューターサイエンスの領域で全国トップクラスの公立大学法人、会津大学だ。同大学理事の岩瀬次郎・産学イノベーションセンター長は「コンピューターサイエンス領域では研究者100人を擁し、学生数も毎年240人入学し、卒業生の就職率はほぼ100%と全国屈指のICT大学だ」と胸を張る。

 会津大学はベンチャー企業の輩出や、産学連携に積極的に取り組み、先端のICT研究を進めてきた。2015年10月にはグローバルICT拠点である先端ICTラボ「LICTiA(リクティア)」を設置、大企業から講師を招いた勉強会や、地域に根差した中小企業に対するビッグデータ解析による経営支援などにも力を入れている。

 ただ、せっかく育てた人材のほとんどが首都圏に吸い上げられているのが実情だ。岩瀬理事は「福島県以外からの入学生が約7割で、卒業生の8割が首都圏へ就職する。少なくとも4割の卒業生が地元に残るように、首都圏並みの働き甲斐と待遇を提供できる環境をつくれるかが課題だ」と話す。

 そんな中、若者の人口流出に歯止めをかける切り札となりうるプロジェクトも動き出した。ICT関連企業の誘致の受け皿となる500人規模のオフィスを、会津若松のシンボル、鶴ヶ城のそばに整備する計画だ。

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