しかるに女性では、構造が違っている。図3は、年収と未婚率の相関図の女性バージョンです。
女性の場合、男性とは逆に年収が高い職業ほど未婚率も高い傾向です。相関係数は+0.4655で、こちらも統計的に有意と判断されます。医師を外れ値として除くと、相関係数は+0.5503ともっと高くなります。
女性にあっては、収入が多い高度専門職は、家庭生活との両立が難しいためと思われます。あと、「結婚したら家庭に入るべし」というジェンダー観が未だに根強いこともあるのでは……。
こんな話を聞いたことがあります。30歳を過ぎて大学教員になった女性で、交際中の彼(この人も研究者)の実家に挨拶に行ったところ、親御さんから「結婚したら仕事を辞めることも視野に入れてほしい」と言われたのだそうです。
30過ぎまで、高いカネと時間をかけて大学院で高度なトレーニングを受け、やっと大学教員になれたのに、「結婚したら辞めろ」などと言われたら、たまったものではありません。アメリカだったら、侮辱罪で訴えられるのではないでしょうか。こういう話を聞くと、専門職の女性の未婚率が高いというのは頷けます。
・男性は、年収が高い職業ほど未婚率が低い。
・女性は、年収が高い職業ほど未婚率が高い。