
35年ぶりに復刊した「ホステス心得帖」。ポーチやセカンドバッグにも入る、スマートフォンほどのサイズになっている。【拡大】
北新地には、「ホステスたちに言動を見つめられることによって、男は磨かれ、育っていく」という要素もあるといわれる。この道56年、これまで政財界など各界の著名人を接客し、彼らの会話や振る舞いを見つめてきた山名ママに、「できる男」の条件とはどんなものなのか語ってもらった。
私も半世紀以上北新地で接客していますので、20代のころから来店してくださっているお客様が出世されるなど、男性の成功する姿を多く見てきました。偉くなられる方は、はじめから輝くものを持っていらっしゃいます。出世されるタイプの人は、爽やかで嫌みなところがありません。きっと男の目から見ても、惚れ惚れするのではないでしょうか。
ものごとに動じず、「この人にならついていきたい」「この人のためならひと肌脱ごう」と部下や周りから慕われている人が多い気がします。もっといえば、人としての魅力にあふれていて、その魅力に人が吸い寄せられ、人に恵まれることで成功を収めていくのでしょう。
伸びる人は接待の仕方、部下や店のスタッフへの振る舞い方の点でも違います。つまらないことを言わないし、言動にも気遣いがあふれています。どんな人ともコミュニケーションをはかる能力に優れています。
好き嫌いを態度に出さず、どの女の子にも気持ちよく接してくださる。ご自身が接待をされるときにも、いろいろな子が自分の席でいいサービスをしてくれたほうが助かるのはわかっているからでしょう。ボーイなど店のスタッフに対しても分け隔てなくよくしてくださいます。