その影響で、鬱状態、不安、イライラといった精神面とともに、睡眠障害や全身の倦怠(けんたい)感、性欲低下などが現れる。テストステロンの減少によって、糖代謝がうまくいかず、内臓脂肪が蓄積してメタボリックシンドロームになり、動脈硬化や高血圧など生活習慣病のリスクが高まるという報告もある。さらに、認知症との関連も指摘される。
治療は症状によって異なるが、一般的にはテストステロンを注射するホルモン補充療法が行われ、泌尿器科や心療内科などが窓口になる。
こうした男性更年期障害の認知度が高まるとともに、大学病院の泌尿器科やクリニックなどで、専門外来を設けるところが出てきた。
◆「男性力」総合検診
医療法人・翠奏会「脇坂クリニック大阪」(大阪市北区)は、男性更年期障害に関連する複雑な症状を総合的に検診する「男性力ドック」を5月に導入した。
身長、腹囲、体脂肪率など体組成の測定や血液検査のほか、通常の外来では行わないテストステロンなど男性ホルモンの分泌量、筋肉量、骨密度、血管年齢(動脈硬化)、夜間睡眠時の勃起などを調べ、治療の方針を立てる。