
河合雅司氏の新著『未来の年表人口減少日本でこれから起きること』【拡大】
少子高齢化も人口減少も、言葉としては誰もが知っている“常識”である。それがゆえに落とし穴もある。分かった気持ちになって、その実態を正しく理解している人は意外と少ないのだ。政治家や官僚、経済界の重鎮といった政策決定に大きな影響力を持つ人からしてそうである。ピントはずれな対策はいまだになくならない。
しかも、即座に解決しなければならない課題と、長期的に取り組んでいくべき課題とが混ざり合っていることが問題を複雑にしている。例えば、前者は高齢化対策や労働力不足対策である。後者は少子化対策である。日本人が“絶滅危惧種”から脱するには出生数を増加に転じさせなければならないが、一朝一夕に達成されるものではない。
少子高齢化、人口減少について正しく理解していない人が多いのは、この問題を俯瞰したものがないからだろう。そこで、問題の本質と深刻さを理解するには、カレンダーのように一覧できるようにするのが一番有効だと考えたのである。
私は新聞社での仕事のかたわら、大学の客員教授を務めている。教壇に立つと、「なぜ、ここまでひどい状況になる前に手を打とうとしなかったのか。これまでの大人たちは一体何をしていたのか」といった問いかけをされることがある。若い世代ほど、人口問題や少子高齢問題に対する意識は高い。
現在の中学・高校生や大学生は、2040年代初頭に30代後半~40代半ばとなる。彼らこそ「2042年問題」への対応において、先頭に立つ世代なのである。