昔はもっとひどかった 日本人が「通勤地獄」から抜け出せない歴史的な背景 (2/8ページ)

「満員電車が辛い……」と感じているビジネスパーソンも多いはず
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  • 通勤ラッシュは昔のほうがひどかった

 小池さんといえば、「クールビズを世の中に広めたのは私です」でおなじみだが、あの国民啓発運動を成功に導いた実績から、「時差ビズ」もいけると踏んだということなのだろう。

 確かに、「時差通勤」がクールビズくらい当たり前になってくれれば、「地獄」のような通勤ラッシュも多少はマシになる。小池知事にはぜひともテレビなどに出演してガンガン啓発していただきたいと願わずにはいられない。

 ただ、その一方で、「働き方改革しよう!」という呼びかけだけで、時差通勤を広めていくのにはやや心もとない気もしている。

 実は言い方はいろいろあるが、「時差通勤で働き方改革を!」というのは、終戦直後から唱えられつつも、この70年間ほとんどうまくいった試しがないスローガンだからだ。

昔の「通勤ラッシュ」はひどかった

 「痛勤」なんてやゆされて、世界的に見てもひどいと言われる日本の「通勤ラッシュ」だが、実は昔はもっとひどかった。

 戦後間もない頃には、母親と一緒に乗り込んだ赤ちゃんが圧死した。急ブレーキで車内が将棋倒しになって内臓破裂で亡くなった人もいた。比喩ではなく本当の意味で「通勤地獄」だった。

 どれくらい地獄だったのかというのは、終戦翌年の夏を控えて、都交通局や国鉄が「交通地獄」を回避するため、「二部制の時差通勤 週一度は自宅執務」(朝日新聞 1946年6月7日)と呼びかけていることからもうかがえよう。もちろん、このアイデアが社会に浸透することはなかった。

60年代後半から70年代にかけて、国鉄をはじめ私鉄でもストライキが多発

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