
夏休みで川遊びを楽しむ児童ら=兵庫県三田市【拡大】
政府奨励金の声も
キッズウイークも企業任せにすれば、普及しない可能性があり、「政府による(奨励金などの)インセンティブ(動機付け)を設けた方がいいのではないか」(明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミスト)との声も上がっている。
だが、インセンティブがあっても、応えられるのは業績に余裕がある大企業に限られる可能性がある。小玉氏は「人手不足の中小企業は簡単に休みが取れないだろう」と指摘する。
このほか旅館、外食など「休日が『書き入れどき』のサービス業は休めない」といった声や「子供のいない社員は有休を取れず仕事のしわ寄せがいくのではないか」といった懸念も少なくない。
キッズウイークに関し、安倍政権は官民の合同会議を月内にも開き、反対意見も踏まえた上で、本格的な制度設計の議論を進める方針だ。旧民主党の菅直人政権も10年に「休暇分散化構想」を打ち出したが、国民からの反対意見も多く、12年に政権が交代し頓挫した経緯がある。「古くて新しい」ともいえる休暇分散問題に、安倍政権が決着をつけられるかが焦点となる。(山口暢彦)