
永田夏来『生涯未婚時代』(イースト・プレス)【拡大】
自分自身が離婚家庭の出身である反動や親への反発から、ジェネレーションXは堅実な家庭に対する憧れが強い傾向にあるそうです。「なるべく早く結婚し、子どもを育て、家庭を築きたい」と考えたコンサバティブで高学歴のパワーカップルは、二人で協力して理想的な家庭を作ろうと努力しています。しかし家族に対する理想が強ければ強いほど、些細な違いが大きなギャップとなり、結局は離婚という結果に辿りついてしまうというわけです。
アメリカのスターター・マリッジの事例が教えてくれるのは、安定した家族を志向すればするほど「相手との関係の居心地の悪さ」から目を背けるのが難しくなるという事実です。
日本における離婚も似たような傾向があり、結婚して5年以内の離婚が統計的にも最も多いことが確認できています。当時のアメリカと比べても現在の日本は離婚を避けようという意識がまだ強く、結婚に対して慎重さがあります。しかし日本版のスターター・マリッジとも呼べるようなケースは私の周りにもしばしば見られるようになりました。
東京でフルタイム勤務をしている30歳代のGさん(女性)は「初婚は失敗して当たり前。結婚のうちに入らないですよ」と言います。28歳で結婚して2年ほどで離婚し、新しいパートナーと再婚したばかりだというGさんは、「とにかく結婚しなくては」という思いと親のプレッシャーから「焦って結婚して失敗した」と言います。 結婚して初めて気がついた生活上の困難とは、彼女の場合は夫の「プチ暴力」、家事とキャリアとの両立でした。
「私が完璧に家事をやって、仕事から疲れて帰ってくる夫のサポートに徹していれば、夫もあそこまで荒れなかったのかもしれないです……。でも、ちょうど私も昇進して仕事が忙しくなってきた頃で。家でごはん作って待ってて欲しかったのは、私も同じだったんですよ」