「勉強しなさい」は逆効果 勉強嫌いな子を変貌させた家庭の特徴 (1/3ページ)

 子供の学力を伸ばすには、どうすればいいのか。少なくとも「勉強しろ」と怒ることは逆効果であるようだ。東京大学社会学研究所とベネッセ教育総合研究所による追跡調査によると、「勉強嫌い→勉強好き」に変わった子は、勉強が楽しくなる「きっかけ」をつかんでいる。うまくやれば、「東大進学」も決して夢ではない--。

 なぜ、勉強嫌いな子が勉強好きに“豹変”するのか?

 夏休みが終わり、子供たちはまた学校へ通い始めた。

 リラックスモードから上手に勉強モードへシフトできればいいが、そうは問屋が卸さない。東京大学社会学研究所とベネッセ教育総合研究所が行った「子供の生活と学びに関する親子調査2015-2016」によれば、「勉強嫌い」の子は小学校、中学校、高校と年齢が高くなるごとに増えていく実態が明らかになっている。

 とくに顕著なのが、小学生と中学生の差である。「勉強が好き」と答えているのは、小学生(4~6年生)では64.8%だが、中学生では45.3%。20ポイントもダウンしている(つまり、中高生の半数以上が「勉強嫌い」)。勉強内容が難しくなるにつれて、「嫌い」派が増えてきているようだ(グラフ1参照)。

 わが子に自分の将来を考え勉学に励んでほしい親としては何とも頭の痛い話だが、いい話もある。この調査では同じ親子を2年間追跡することで希望の光も見えたという。

*出典:東京大学社会学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子供の生活と学びに関する 親子調査2015-2016」*回答者(2016年):小学4~6年3823人、中学生3730人、高校生3461人

*出典:東京大学社会学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子供の生活と学びに関する 親子調査2015-2016」*回答者(2016年):小学4~6年3823人、中学生3730人、高校生3461人

 1割の子供は勉強が「嫌い→好き」へ

 それは、1年前は勉強嫌いだったのに、翌年、勉強好きに変わった子が一定数いたということだ。同調査によれば、その「嫌い→好き」組はどの学年でも「1割前後」は存在していた。ズルズルと雪崩のように勉強嫌いな子が増えていくだけではなかったのだ。

 調査に携わったベネッセ教育研究所の橋本尚美研究員は、次のように語る。

 「その子たちはただ勉強好きになっただけでなく、学習時間が延びて、成績も上がっています。しっかり学習成果に結びついているんです。さらに追跡調査によって勉強好きになった子やその家庭の特徴がわかってきました」

*出典:東京大学社会学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子供の生活と学びに関する 親子調査2015-2016」回答者:【青のグラフ】2015年、小4~5年の31.9%を占めた「勉強が『嫌い』」な子供のうち、1年後(2016年)、小学5~6年になったときに「勉強が『好き』」に転じた子供たち(小学5~6年の11.1%)。【赤のグラフ】同じく2015年、小4~5年の「勉強が『嫌い』」な子供のうち、1年後(2016年)も「勉強が『嫌い』」のままの子供たち(小学5~6年の20.5%)。回答者は、2015年は小5が1292人、小6が1245人、2016年が小5の1335人、小6が1221人。以下、同。

*出典:東京大学社会学研究所・ベネッセ教育総合研究所「子供の生活と学びに関する 親子調査2015-2016」回答者:【青のグラフ】2015年、小4~5年の31.9%を占めた「勉強が『嫌い』」な子供のうち、1年後(2016年)、小学5~6年になったときに「勉強が『好き』」に転じた子供たち(小学5~6年の11.1%)。【赤のグラフ】同じく2015年、小4~5年の「勉強が『嫌い』」な子供のうち、1年後(2016年)も「勉強が『嫌い』」のままの子供たち(小学5~6年の20.5%)。回答者は、2015年は小5が1292人、小6が1245人、2016年が小5の1335人、小6が1221人。以下、同。

「勉強しなさい」と叱ると勉強嫌いのままになる?