「なんで遅れた」「遅れたくせに」 しつこい医師に取った作戦
さて、初回なので最近自分が行った謝罪について書きます。大したことない謝罪なのですが、相手がとにかくネチネチと攻めてくるので、どうしたものか、と思い、取った作戦がとにかく「平身低頭、謝り続ける」というものです。ここでの基本は「でも……」を一切言わない、という点にあります。何しろ相手は自分に絶対の正義があると考え、しかも自分のことを被害者だと思い、私に全面的に落ち度があると思っている。それに加えて、自分の方が圧倒的に立場が上だと考えているからです。
私の右腿(もも)には「粉瘤(ふんりゅう)」と呼ばれる腫瘍の一種が26年間ありました。放置していても構わないのですが、年々大きくなっていて、短パンをはいている時などついつい触ってしまうのもストレスになっていました。これを先日手術で取りだしました。人差し指の第一関節大の巨大な粉瘤が取れたのですが、これが入っていた場所は祠(ほこら)のように穴が空きましたが、この部分は縫合しつつ、祠の内部に管を入れてガーゼに血を吸着させます。
医師は翌日、消毒のために再来院するよう伝えました。しかし、その日私は9時半に仕事に行かなくてはいけないため、病院が開く9時では間に合わないと伝えます。すると「8時40分からオレはいるからその時に来なさい」と言います。それに合わせ、8時39分に病院に着き、受け付けをし、診察室に呼ばれたのは8時44分。すると医師はこう言います。
「なんで遅れるんだよ! 8時40分と言ったろ! こっちは看護師さんも合わせて全員準備して待っていたというのになんで遅れるんだよ! 8時40分と言ったろ! 約束は守りなさい!」
これには「ごめんなさい! ごめんなさい! せっかく準備していただいていたのにごめんなさい!」と言いました。ここからも医師の攻撃はやむことがありません。消毒するだけなので短パンをわざわざぬぐ必要はないのかな、と思い、短パンを履いたまま診察台に座ったらこう言われます。
「今から消毒するのに、なに短パンを履いてるんだ! 遅れたくせに短パン履いたままで診療をさらに遅らせるのか! こっちは早く来て待っていたんだよ! 8時40分にちゃんと来ないのになんだよ!」
これには再び「ごめんなさい! すぐ脱ぎます!」とそそくさと脱ぎます。そして、診察台にうつ伏せになって、腿に貼られたガーゼなどをはがしてもらう時も医師は「なんで今日は遅れたんだよ! こっちは準備万端。皆早く来てるんだよ! 8時40分って言ったじゃないか!」と言い、私は「ごめんなさい! ごめんなさい!」と続けます。