薬の飲み残し、薬剤師が訪問指導 回収し再処方、医療費抑制と症状悪化防止に (2/2ページ)

飲み残しを防ぐため、服薬カレンダーや手作りの薬箱を用意する薬剤師の宮野広美さん(右)と小平幸恵さん=6月、埼玉県伊奈町
飲み残しを防ぐため、服薬カレンダーや手作りの薬箱を用意する薬剤師の宮野広美さん(右)と小平幸恵さん=6月、埼玉県伊奈町【拡大】

 70万円分の無駄削減

 こうした中、患者に残薬を薬局に持ち込んでもらい、チェックする対策も始まった。

 福岡市薬剤師会は2012年から「節薬バッグ」という回収袋をつくり、了解を得た市内31薬局の利用者に計1600枚を配布した。約3カ月間で252人が計約84万円分の残薬を持参。医師と連携し、同じ薬の服用が必要な人には、本人が持ち込んだ薬で安全性が確認できたものを次の処方分に充てた。その結果、約70万円分の無駄が削減できたという。

 同会は「バッグがあることで患者の意識も高まる」として既に22万枚を配布した。神奈川県横須賀市や福井県も同様の取り組みを行っている。

 日本薬剤師会の田尻泰典副会長は「これまで薬剤師は薬を渡すだけで済ませていた。患者のその後のケアをするという本来の機能を果たしていけば、残薬問題は解消されていくはずだ」と話した。