「しずみちinfo」で提供されている通行止めや片側通行、チェーン規制などの道路規制は日々刻々変化する。ゲリラ豪雨で土砂崩れが発生したり、アンダーパスが水没したりして突然通行ができなくなることもある。こうしたリアルタイムで変化する情報を提供するのは全国の自治体でも初めての取り組みだった。
「ナビに活用したい」民間との共同実験
API導入の大きなきっかけとなったのは、トヨタ自動車グループのトヨタIT開発センターとの出合いだった。同センターでは、新たなナビゲーションシステムの研究を進める中で、これまでに利用されていなかったデータの活用を模索。自治体が持つオープンデータにも注目していた。その中で、「しずみちinfo」に着目。静岡市と共同でナビゲーションシステムに組み込むための共同実験をスタートさせることにした。
この実験でまずトヨタIT開発センターが提案したのがAPI化だった。市も迅速に対応し、API化された「しずみちinfo」のリアルタイムのデータをもとに規制地点を避けてルート検索ができるアプリを試作開発。主要幹線道路から生活道路にいたるまでドライバーが安全で利便性高く利用できることを実証した。
トヨタIT開発センターの長田祐プロジェクトリーダーは実験を通じて、「オープンデータは無料で利用できる点で利用価値が高い。また、自治体のデータは地方ならではの特徴があり、やり方次第で地方ならではの面白みが出せると思う。静岡市ほどの情報をオープンデータにしているところは他の自治体にはないのではないか。市の熱意に感心した」と話している。
「使ってもらう」を重視、シズオカ型を確立
静岡市は全国の中でもオープンデータに積極的に取り組んでいる自治体の一つだ。政府が国家的な取り組みとしてオープンデータの利活用を打ち出す中で、静岡市は庁内の関係する10課と有識者によるプロジェクトチームを立ち上げ、オープンデータ化するデータの選定や指針などを検討。保有データを民間に利活用してもらうことに重点を置いた「シズオカ型オープンデータ」という取り組みを始めた。