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治療開始から4年、「最後の砦」と思っていた体外受精を開始した頃から、心のバランスを崩しはじめた。
誰にも相談できず、妊娠しない自分を責めてばかりの日々。
「検査で良い兆候があっても、気持ちを浮きたたせては失望することの繰り返し。2度の流産を経験し、ぬか喜びに疲れ、感情にフタをするようになっていきました」
妊娠にとらわれる前の自分に戻れた
不妊治療にあたっては、過度な期待を持つことは厳禁とされている。しかしどうしても「今回この治療を受けたら妊娠できる」と思ってしまう気持ちを抑えることはできない。こうした中、自分のメンタルをコントロールできなくなる人も少なくないと言う。
悲しみ、怒り、嫉妬、劣等感--。心と体のバランスを崩し、夫婦間も危機的状況に。かつて経験したことのない負の感情に押しつぶされていたマサヨさん。そんなときに出会ったのがヨガだった。
ヨガを日課にしてから、体調が少しずつよくなり、その魅力にはまっていった。そしてマサヨさんの気持ちが大きく変わっていったのは、44歳のとき。不妊治療が10年目に入った頃だ。
「子どものいない人生、というものを受け入れられるようになっていたんです。諦めとは少し違うのですが、心が穏やかになり、妊娠にとらわれる前の自分に戻れたような……。まさに“生き返った”という言葉がぴったりの感情がわいてきました」
「できることは精一杯やった」
ヨガに真剣に取り組み、ヨガインストラクターの資格を取得。体はもちろん、精神的な安定を取り戻していくに従って、自分に対する自信が生まれた。そして、「子どものいない人生でも幸せになろうね」と、ようやく夫の前で口に出して言えるようになった。
「できることは精一杯やった、という思いと、妊娠のことだけを考えていた10年から解き放たれたて、気持ちがとても楽になりました。体を冷やすからと禁じていたアイスクリームも、今は堂々と食べています(笑)」