どのような場面でも相手を思い気遣う
このようにさまざまな礼儀やマナーを教わりましたが、共通しているのは、まわりの人を慮っているということ。つまり、どのような場面でも相手を思い気遣うことが最高のマナーなのです。
入社当初、外部の講師の方に来ていただいて、社会人としての基本的なマナーを研修で教えてもらいました。そこで教わったことは、もちろん重要です。ただ、形式だけ守ればいいというものではない。むしろ大切なのは、まわりの人に気持ちよくいてもらうこと。そこをはき違えてはいけません。当社ではマニュアルにとどまらず、現場で伝承されているものも多いです。
ある背の高い上司がいました。その上司は、立食パーティーで背の低い方とお話しするとき、真っ直ぐ立たずに少しずつ足を横に開きます。足を開いて立つのは、行儀のいい姿勢ではありません。それなのになぜ足を開くのかというと、相手に目線を合わせるため。上から見下ろすと相手に威圧感を与えてしまうし、かといってあからさまに膝を曲げるのも失礼。そこでさりげなく足を開いて高さを調節し、相手が話しやすい状態をつくっていたのです。
これぞ本物のマナーではないでしょうか。表層的なものにとらわれず、相手にとって本当に何が必要なのかを考える。そこから生まれた立ち居振る舞いが、いいマナーです。
新任課長の心構えを海軍「士官心得」で学ぶ
歴代の上司や先輩を振り返ってみると、マナーに厳しい人もいれば、まったく放任の人もいました。当社には、入社数年目の先輩が新入社員の面倒を見るインストラクター制度があります。私が入社したときの担当インストラクターは、放任主義。おかげで私はのびのびやらせていただきました。一方、私の次の年に入った新入社員の担当は、箸の上げ下げまで細かく指導するタイプでした。