東京の日野市立病院に是正勧告 違法残業、医師残業172時間

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 東京都の日野市立病院が、労使協定(三六協定)の上限時間を超えて医師らに違法な残業をさせたとして、八王子労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが19日、病院への取材で分かった。労災認定の際の目安といわれる月100時間の「過労死ライン」を上回る月172時間の時間外労働をした男性内科医もいた。医師の過労は、新潟市民病院(新潟市)の研修医が昨年1月に過労自殺するなど問題になっている。

 日野市立病院が勧告を受けたのは昨年12月で、上限を超えたのは男性内科医のほか、看護師や事務職員4人。この男性内科医の昨年4~10月の平均残業時間は月約122.5時間だった。病院は「勧告を真摯(しんし)に受け止めている。責任感の強い医師で、自発的に患者を診ていた」としている。

 病院はその後、業務を分散するよう院長から各所属長に指示したほか、四半期ごとに所属長の会議で職員の労働時間を報告するなど改善策を導入したという。