うわさの「一流営業マン」はチャラ男だった 「スーツを一着も持たない」男の仕事術 (3/4ページ)

僕と初対面で名刺交換したときに「こいつなんなの?」って思われるはずなんです。でもしっかり商談することで「意外にチャラ男じゃないな」と少し見直してもらえます。ちょっと心を開いてくれたときに、「気になったんだけど、その時計は大きすぎない?」と話を振ってもらうきっかけになって、そこからフランクに雑談ができることも多いんです。

僕はスーツも着ないんです。一着も持ってないんですよ。

船橋さん。右手には天然石のブレスレットを、左手にはビッグフェイスの腕時計を着けている

船橋さん。右手には天然石のブレスレットを、左手にはビッグフェイスの腕時計を着けている

【橋本】印象に残りますよね。

私も外見と中身のギャップにはよく驚かれます。一度会ったら忘れない、顔を覚えてもらう戦略です。

逆に、地味にしていて得することはあるだろうかと疑問に思います。存在感がなくなったり、買いかぶられたりとあまりメリットがないんじゃないかな。

見た目は個性が出しやすいので、使えるものは使ったほうがいいですよね。私なんて、少し真面目なことを言っただけですごいって言ってもらえますしね(笑)。

客先相手だといいですが、社内の評判はどうなんでしょう。例えば、船橋さんは自分の第一印象をあえて“落とし”ていますが、新卒社員を指導するときになめられたりしませんか(笑)?

【船橋】そんなことないですよ。

新入社員の指導でいうと、当時新卒だった自分の目線で話すように気をつけています。あと、新入社員には上司の「過去の栄光」自慢は響かないので、言わないようにしています。

残念ながら、新入社員に対して過去の偉業を得意気に話したり、「これだから…」と説教したりする人はよくいるんですよ。

それならば偉業を成し遂げるにはどういう過程を経たかを話した方がいいし、いま彼らができることをアドバイスするべきですよね。彼らの目線に立って、3年・5年・10年後のプランを立てて、目標を達成するにはその時々で何をしたらいいかを助言すれば、彼らだって聞く耳を持ちます。

【橋本】若手社会人に、これだけは押さえといた方がいいというマナーはありますか?

【船橋】新卒社員には、営業先の応接間に通されてお茶を持ってきて頂くときに、必ず御礼を言うように指導しています。その方がお茶を淹れる時間と手間を考えて。あとはお茶も必ず飲みきります。お客様の大事な経費でお茶を出して頂いていますからね。

【橋本】受付から下げるときも大変ですからね。

【船橋】僕の同年代でも、そういう教育を受けていない人は意外に多いんです。僕らのような中堅社員になると、もう誰からも指摘されないでしょうし。

いまになって、新卒のときの教育がいかに大切だったかと思い知りますね。

同年代に問いたい 「あなたは全力を尽くしていますか」