「全部売っても赤字。だから行政がやっている」 ジビエ、食文化定着への道半ば (2/2ページ)

静岡県伊豆市の処理施設「イズシカ問屋」(同市提供)
静岡県伊豆市の処理施設「イズシカ問屋」(同市提供)【拡大】

  • 閑散とした、食肉販売会社「にくまる」の処理施設=2017年12月、富山県高岡市

 市は「全部売っても赤字。だから行政がやっている」と話す。農作物の食害を防ぐには捕獲意欲の維持が不可欠。猟師からの買値は下げにくく、売値を上げれば、消費拡大に水を差す。開設後数年で民営化する目標は達成できないままだ。

 厚生労働省によると、ジビエ処理施設は29年5月現在で全国に630カ所あり、1年間で78カ所増えた。ただ多くは処理数が年50頭以下だ。日本ジビエ振興協会(長野県)の藤木徳彦理事長は「大半の施設で採算が取れていない」と分析する。

 藤木理事長は、腹部を撃たないことなどを「消費者との間にいる施設が猟師に指導するべきだ」と指摘。ジビエ定着には「大手外食産業も巻き込んだ流通拡大が必要」と話している。