なぜ日本は「発達障害大国」なのか 国別統計で常にトップレベルの理由 (3/6ページ)

 現在、日本で発達障害を診断できるクリニックや医師はまだ少なく、しかもそのほとんどは子どもが対象だ。同じ発達障害でも、子どもと大人では診断方法やその後のケアも大きく異なり、大人に特化した発達障害外来の必要性を強く感じたという。

 このクリニックでは、診断後の治療プログラムも充実している。月1回土曜日に3時間かけて行われるレクチャーには、多いときで80名ほどの参加者が集まる。発達障害に特化したプログラムも人気だ。半年から1年をかけて行う復職支援プログラムでは、他者とのコミュニケーションにおいて起こりがちな「職場トラブル」をテーマにロールプレーを行うなど、復職に向けての具体的なアプローチに取り組んでいる。

 「発達障害の場合は基本的に薬はなく、あったとしてもADHD(注意欠如・多動性障害)用に2種だけ。そもそも発達障害は病気ではないので、『治す』ものではない。自らの特性を理解して得意な部分は伸ばし、苦手な分野は工夫して補えるよう練習していくしか方法はないのです」(五十嵐氏)

 ▼それぞれの特徴

 ASD:自閉スペクトラム症

 コミュニケーションや対人関係、想像力のかたより。パターン化した興味や活動など。

 ●空気を読むことが苦手、言葉の比喩や裏の意味がわからない。

 ●人との距離感が独特で、一方的だったり、拒絶的だったりする。

 ●好きなテーマを語りだすと止まらない、人の話を聞くのが苦手。

 ●過去のことはよく覚えているが、未来を想像し予定を立てるのが苦手。

 ●時に過去の嫌な出来事がフラッシュバックして情緒不安定になる。

 ●視覚、聴覚などの感覚が過敏。

 ●同時に複数のことを処理することが苦手。

 ●他者視点に立って考えることが苦手。

 ADHD:注意欠如・多動性障害

 多動的、衝動的、不注意。

 ●常に動き回ったり思考がせわしない。

 ●思い立ったことをすぐにやりたくなる。

 ●忘れ物やミスが多い。

 ●部屋が片づけられない。

 SLD:限局性学習障害

 知的な遅れや視覚や聴覚などに問題はないが、「読む」「書く」「聞く」「話す」「計算・推論」などの学習分野において著しい困難を有する。「読字障害(ディスレクシア)」や、「書字表出障害(ディスグラフィア)」「算数障害(ディスカリキュリア)」などが代表的。

高学歴にはグレーゾーンの発達障害が多い?