職員の採用難、あえぐ自治体 説明会やポスター工夫、あの手この手で囲い込み (2/2ページ)

 人手が足りないのは地方公務員も同じだ。行政改革で職員を減らしてきたが、子育て支援や観光、治安・防災分野の需要が拡大。17年4月時点の全国の自治体職員は23年ぶりに増えた。

 保護者向け説明会

 自治体は、あの手この手で学生を囲い込もうと躍起になっている。

 目立つのは、法律や数学などの知識を問う専門試験や教養試験の廃止だ。宮崎県都城市は17年度から、国語や一般常識といった基礎能力を測る適性検査に切り替えた。「公務員試験対策は不要」とうたい、担当者は「民間志望の学生も受験できるようにし、多様な人材を確保したい」と語る。

 派手な採用ポスターで注目を集めようとする自治体も。長野県中野市は、お笑いタレントのブルゾンちえみさんに扮(ふん)した女性職員が「新しい市役所で、働きたくない?」と呼び掛ける。市庶務課は「『ポスターを見て役所のお堅いイメージが変わり、志望の気持ちが強まった』という受験者もいた」と明かす。

 兵庫県加古川市は、片膝をついてプロポーズしているような姿勢をした男性らの写真の横に「君が欲しい!」とのキャッチフレーズを書き添えてアピールする。

 就職活動を控えた学生の保護者に狙いを定める動きもある。徳島県は17年度、保護者に仕事や職員の体験談を紹介する説明会を初めて開催。担当者は「親のアドバイスを就職に生かす学生は多い。県外からのUターンも含め、受験者を掘り起こしたい」と話している。