【囲碁・女流名人戦】初防衛へ、藤沢里菜女流名人が先勝

囲碁「第30期女流名人戦三番勝負」第1局を行う、藤沢里菜女流名人(右)と矢代久美子六段=28日午前、京都市上京区の平安女学院大「有栖館」(志儀駒貴撮影)
囲碁「第30期女流名人戦三番勝負」第1局を行う、藤沢里菜女流名人(右)と矢代久美子六段=28日午前、京都市上京区の平安女学院大「有栖館」(志儀駒貴撮影)【拡大】

  • 藤沢里菜女流名人(右)と矢代久美子六段=27日午後、京都市上京区の有栖館

 産経新聞社主催の囲碁タイトル戦「第30期女流名人戦三番勝負」の第1局が28日午前9時半から京都市上京区の平安女学院大学「有栖館」で行われ、藤沢里菜女流名人(19)が196手までで、挑戦者の矢代久美子六段(41)に白番中押し勝ちし、初防衛へ先勝した。午後4時54分終局。持ち時間各3時間で、残りは藤沢女流名人4分、矢代六段が3分。第2局は3月7日に大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われる。

 先後を決めるニギリで黒番になった矢代は、下辺黒19から左辺21と意欲的な進行。対する藤沢は右上白62に先着し、64とノビたのがポイントとなった。黒65では「黒127とぶつかる打ち方もある」(立会人の坂口隆三九段)。また、黒75では「73の一路下にノビた方がよかったのでは」と解説の結城聡九段が指摘するように矢代の着手が停滞ぎみに。

 体を前後に揺すり考える矢代とは対照的に、淡々と着手する藤沢。ただ中央白82、84と出切ったのは危険な手で、「76右にカカエていたほうが確実だった」(結城九段)。白84のあと、黒81の一路右にアタリしていれば、白76の一路右、黒85の一路下からマクる進行になり、黒にもチャンスがあったという。

 形勢の挽回を図る矢代は右下101と踏み込んだが、黒103が敗着に近い手。ここは104にノビる一手だった。

 結城九段は「藤沢女流名人の迫力に、形勢がよくなかった矢代六段は終始、踏み込み不足だった印象」と振り返った。

 藤沢女流名人の話「左上(白128)にマガッたところで白地が多く、勝てそうかなと。1週間後の第2局も、気を引き締めて臨みたい」

 矢代六段の話「黒65ツギは、ほかの2つ(62の一路左、127)と迷って最も罪が重い手を選んでしまった。次も一生懸命打つしかない」