【書評】『1868 明治が始まった年への旅』加来耕三・著


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 ■激動の年を客観的に見つめる

 明治元年(1868年)がどんな年だったのかはあまり知られていない。同書は1カ月を一つの章として、この年に起きたことを多くの証言を盛り込みながら描き出した。

 市中では残忍な殺戮(さつりく)が日常茶飯事で、切腹やさらし首も続いていた。一方で、外国人専用のホテルがオープン。「200年後」を描いたSF小説が翻訳され、そこにはネット社会が予言されている。新旧が入り交じり混沌(こんとん)としていた。

 近年、明治維新や新政府を否定的にとらえる著作が注目されている。肯定、否定以前に、激動の1年を客観的に見つめる必要があるかもしれない。(1512円、時事通信社)