▼銀行は名義人の死を知った時点でその口座を凍結
銀行は、名義人の死を知った時点でその口座を凍結します。親族間の相続トラブルに巻き込まれることを避けるためです。口座が凍結されれば家族といえども預金を引き出すことはできません。ポイントは「銀行に連絡がいくかどうか」。役所に死亡届を出しても、すぐ口座が凍結されるわけではありません。なぜなら原則として役所から銀行に連絡することはないからです。
なお、他界した親が加入している生命保険は、死亡したことを伝えても「凍結」されることはなく、保険金は請求後1週間ほどで振り込まれるので当面の支払いに充てられます。ただ、保険に入っていない場合は大変です。親族間で相談するなどし、費用を分担するなり誰かが立て替えるなりするしかありません。
この「死亡による口座凍結」と同様のことが、「名義人が認知症になったとき」にも適用されることがあるのです。認知症の進行具合によって判断はわかれるようですが、口座凍結となれば大変です。鳥居さんは著書でこんなエピソードを紹介しています。
《周囲の負担が大きいため、本人の同意のもとで在宅介護から有料老人ホームに切り替えることになった、入所費用を母親の定期預金で賄おうとしたが、銀行が母親を認知症だと認めれば、口座凍結されてしまう。母親と銀行に出向いたところ、銀行の担当者は、母親の認知症を疑っているのか、誕生日を聞いたり書類に住所氏名を書かせたりする。鳥居さんはいつもの認知症状が出ないかヒヤヒヤするが、その時の母親は頑張ってなんとかその難関をクリアする》