SNSで「#PTAやめたの私だ」が話題になるなど、最近、PTAに対する視線が厳しい。ついに「PTA不要論」(新潮新書)という本まで登場。記者は小学4年の長男が通っている東京都内の公立小学校でPTA会長を務めているのだが、たしかに「大変だ」「仕方なくやってる」という声も聞く。学校と保護者の連携は、どうあるべきなのか-。「不要論」の著者、黒川祥子さんに話を聞いた。(篠原知存)
恐怖体験を取材
「最初からこのタイトルにしようと思っていたわけではなくて、取材を進めていって、たどりついた結論がこれでした」
ノンフィクションライターの黒川さんが本書に取り組んだきっかけは、担当編集者のPTA体験を聞いたこと。自分も母親としてPTAを経験していた。「でも『のど元過ぎれば』になっていた。それでいいのだろうかと」。あらためて〈PTAとは何なのか〉を取材することに。
役員決めで教室に“軟禁”、容赦なく午前中に開かれる会議、苦行のベルマーク集め、任意のはずなのに仕事を強制…。一般企業ならブラック扱いも必至の「恐怖」体験の数々を保護者から取材。その上で、PTAの存在意義について、歴史も概観しながら検証している。