夏風邪「ヘルパンギーナ」流行 山形、新潟、静岡で「警報レベル」

国内のヘルパンギーナ患者推移
国内のヘルパンギーナ患者推移【拡大】

 夏に乳幼児がかかりやすいウイルス性の感染症「ヘルパンギーナ」が各地で流行し、山形、新潟、静岡各県の定点当たりの患者数が国の警報レベル(基準値6人)を超えていることが、31日公表された国立感染症研究所の調査で分かった。ヘルパンギーナと合わせ、「3大夏風邪」と呼ばれる手足口病、咽頭(いんとう)結膜熱(プール熱)の感染も広がっており、警戒が必要だ。

 ヘルパンギーナは38度以上の高熱が出たり、口内に痛みを伴う水疱(すいほう)ができたりする。感染研によると、今年第29週(7月16~22日)の全国の定点医療機関(小児科約3000カ所)当たりの患者数は2・49人。都道府県別では山形県の8・33人が最多で、次いで、静岡(7・48人)、新潟(6・63人)、長野(4・89人)と続いた。東京では3・14人だった。

 口や手足に発疹などが出る手足口病は第18週(4月30~5月6日)時点で定点患者数は0・29人だったが、第28週(7月9~15日)は2・09人まで急増。発熱やのどの腫れなどの症状を伴うプール熱は11週連続で定点患者数が0・5人を超え、第29週(7月16~22日)は0・55人となっている。

 厚生労働省などによると、3大夏風邪はせきやくしゃみによる飛沫(ひまつ)感染や、接触感染が主な感染経路。特別な治療法はなく、予防には手洗いやうがいの徹底が重要となる。