【就活リサーチ】後半戦、企業の現状は? (1/2ページ)

採用予定数の充足見込み
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 来春卒業予定の大学生らの採用は、6月1日の選考解禁から2カ月がたちます。キャリタス就活モニターの7月1日時点の内定率は81・1%。企業の採用意欲の高さを反映して、2年連続で8割を超える高水準となりました。就職活動を終了した学生は6割強。就職戦線は、はや終盤戦の様相を呈しています。

 一方、企業の採用活動はどうでしょうか。当社が7月上旬に実施した企業調査のデータを見てみましょう。

 まずは、採用活動の終了状況です。7月上旬時点で採用選考を「終了した」企業は26・4%。前年調査より約3ポイント上昇しましたが、4社に3社は採用活動を継続していました。「昨年も苦労したが、今年はさらに厳しい。学生の奪い合いが年々加速している」といった声が多数寄せられました。

 採用予定人数を確保できていない企業に充足見込みを尋ねると、「充足できる見込みだ」という回答は約3割にとどまります(29・9%)。残りの7割は「充足は難しい」「まだ分からない」と見通しが立っていません。「選考試験の段階で辞退する学生が多く、最終選考まで進む学生が減った」「これはという学生に内定を出しても、他社に抜かれてしまう」というのが、採用に苦戦している企業の代表的な声です。

 売り手市場で学生の大手志向が強まっており、採用戦線は特に中小企業にとってより厳しいものとなっています。

 採用予定数に対してどのくらい内定者を確保できているかという「内定者充足率」は、従業員規模によって差があり、大手企業が約7割であるのに対し、中小企業では5割にとどまっています。つまり、予定の半数しか内定者がいないということです。深刻な人手不足が続く中、必要な人材を確保できるかどうかは経営上の死活問題です。

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