破傷風、50歳以上のほとんどがワクチン未接種 専用サイトで接種を啓発、免疫を (1/2ページ)

(Getty Images)
(Getty Images)【拡大】

 予防接種は子供向けばかりではない。ワクチンを受けないと大人も無防備な感染症がある。その一つが破傷風。土に触る機会が多い人や、西日本豪雨のような自然災害時にはリスクが高まるため注意が必要だ。

 破傷風は、土の中に広く生息する破傷風菌が傷口から侵入して感染する。毒素で神経が障害され、口を開けにくいなどの症状から全身けいれんなどが出る。発症者の致死率は20%を超す。

 かつて年間1000人以上の患者がいたが、1968年に公費による小児へのワクチン定期接種が始まり、若年世代の発症はほぼ抑え込まれた。

 しかし68年以前に生まれ、今年50歳以上になる人は、ほとんどがワクチン未接種で破傷風への免疫はないとみられる。

 今も年間120人ほどの患者が出るが、多くは65歳以上の高齢者。けがや事故、土いじりなどで感染したとみられる。2011年の東日本大震災でも、10人程度の発症が報告されたが、ワクチン接種世代はいなかったという。

 日本プライマリ・ケア連合学会は、大人にも必要なこうしたワクチンの啓発を目的に、インターネット上に「こどもとおとなのワクチンサイト」を開設した。

68年以前生まれの人に「計3回の接種で免疫を」